中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3146回
頭の中のマッサージをしている所です

人間誰でも経験を重ねると、
それがその人の常識となってしまいます。
既に常識になってしまった物の見方、考え方は
そう簡単には変えられません。
もちろん、それが常に正しいとは限りません。
或る時代には正しかったかも知れませんが、
次の時代には通用しなくなることがあります。
なかには最初から間違っている場合だってあります。

たとえば、中国株の中で、皆がもてはやしているのに、
私がいまでも嫌がっている会社がいくつもあります。
私がそこの会社を昔から知っていて、
あんなボスの気風が遺っているのではイヤだというものもあれば、
あんな効率の悪い、レベルの低い会社では
イヤだという会社もあります。
もう20年も前に訪問した会社だから、
経営者も社風も一変しているかも知れないとわかっていてもです。
投資家の間でいま評判になっている会社でも、
私が沈黙を守っている会社がまだいくつもあります。

また私が成長株の中に数えたがらない業種に属するために
私が嫌がって近づかない会社もあります。
たとえば経営者が政府の方にばかり顔を向けて株主のことなんか
全然頭の中にない国営事業上がりの銘柄がたくさんあります。
また農業や林業のような付加価値が低くて産業界の発展から
置いてけぼりにされる業種は日本を見てもわかるように
業績があがらないし、利益もさして期待できません。
そういう農民を相手に肥料を作っている会社もたくさん
お金が儲かる位置にいるとは言えません。
しかし、そうした業界を抜本的に組織変えして
高収益企業に建て直す成長企業も少しずつ頭角を現わしています。

ちょうどいま、そうした入れ代わりが起る
新しい時代にさしかかっています。
私自身がそうした頭の切り変えをやる必要に迫られ、
農業、林業、風車、鉱業などの会社拝見を
これからはじめるところです。
どうぞ皆さんも私の頭の中が鉄筋コンクリートでできていると
決めつけないようにお願いします。


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2008年10月20日(月)

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