中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3148
肥料は駄目でも農業は大企業化の方向へ

たとえば、中国の上場会社の中には何社か肥料会社があります。
長く赤字が続きましたが、農業が成り立たないと
食糧問題が大きな政治問題になるので、
政府の肩入れもあって黒字化する会社が少しずつふえてきました。
もしその勢いで利益の上昇が続けば
成長株の仲間入りをするのではないかと考えて、
その中の一社を天津市まで見学に行ったことがあります。

その結果わかったことは、肥料を売りつける先が
収入の少ない農民ですから、生産する方のコストが上がっても
ほとんど値上げの見込みが立たないことです。
もう一つは肥料は値段が安い上に嵩張るので
運賃がコストの中で大きなウエイトを占め、
インフレにうまくついていけないことです。
株価を見ていると、収支が小さいながらもかなり改善されて
いるので、いささか身分不相応な上げ方をしています。
でも実情を研究すると、途中で必らず息切れすると考えて
先を追うのをやめてしまいました。

似たような立場にあるのが有機栽培の野菜を大量に扱う
超大現代農業と中国緑色食品です。
いずれも香港の会社であり、野菜のような零細食品業者を
ライバルにしたスケールの大きなビジネスなので、
日本の農協の実情が頭にある私は
疑問を持って否定的な見方をしてきました。
しかし、その後の動きを見ると、日本に輸出をする他の業者は
農業問題で総スカンをくらっていますが、国内のスーパーや
デパートなどの大規模店あてに成長を続けている両社は
途中で株価に起伏はありましたが、順調に成長を続けています。

となると、日本の農業政策、わけても農協のシステムに
問題があって、農民をうまく抱き込んだ農業の企業化が
畜産や林業の企業化と共に新しい時代を迎える可能性が
見えてきたのかも知れません。
もしそうだとしたら私たちも物の見方を変えなければならないし、
日本の農業政策もたいへんな方向転換を
余儀なくされることになります。


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2008年10月22日(水)

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