中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3149回
予断を許さないエネルギー革命

いま世界中の物価に一番大きな影響をあたえているのは
石油の値段の動きです。
かつて1バレル1ドルか、2ドルだった石油が
第一次石油ショックの時は一挙に12ドルまでハネあがったし、
第二次石油ショックを間にはさんで、今回は一挙に150ドルという
目のまわるような値段にまで暴騰しました。

こうなると、200ドル説を唱える見方をする人も出るように
なりましたが、物価は波のように上げ下げするものですから、
鰻のぼりということにはなりません。
ちょうど同じ時期にサブプライム・ローンに端を発した世界的な
金融不安が発生して1929年の世界大恐慌にも劣らないスケールで
はじまっていますからそれが一段落したら落着くところに落着いて
新しい時代がはじまると見ていいのではないでしょうか。

私は石油の需要と供給のバランスのとれるところは
80ドル前後と見ていますが、仮にそうだとすると
長く続いた20ドル台に比べると4倍にもなりますから、
エネルギー問題は、依然として産業界最大の課題として残ります。
従って世界中が石油資源の開発に血眼になり、原油や天然ガスを
掘り当てた者の勝ちというのは当分続くと見てよいでしょう。
そうなると自分たちの領土もしくは領海内に資源のある国は
もとよりのこと、そのパートナーになった企業も
更には掘削に必要な設備を提供する企業もその恩恵に
浴することになります。
そうなると中国株で言えば、石油の掘削に従事している 
中海油田服務、中国(香港)石油、中国海洋石油、
ペトロチャイナ、サイノペックから設備や部品の提供をする
山東墨龍や天大石油管材と言った設備業者まで
そのカテゴリーに含まれることになります。
そういう株が高値から転落して底値まで落ち込めば、
当然、有望銘柄の仲間入りをすることになります。

しかし、その反面、石油の時代が
はたしていつまでもつのかという疑問もあります。
ガソリンの代替をするエネルギーの開発も当然すすむでしょうし、
とうもろこしだけでなく、太陽熱や風車による発電から、
さては新しい電池の開発までニュービジネスが
次々と注目を浴びるようになります。
そういう動きにも注意を怠らない必要があります。


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2008年10月23日(木)

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