中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3165回
中国株投資はこれからふえる方向です

東京や香港の証券取引所が
ニューヨークの取引所に連動しなくなるということは、
それぞれバラバラの動きをするようになる
ということではありません。
世界の経済を動かす主力が
時と共にアメリカから他の地域に動いて、
アメリカがクシャミをしたら、
日本が肺炎になるようなことがなくなるだろうということです。
そのためにはアメリカ依存の経済体制を解消して
他の地域に重点を移す必要がありますが、
日本はこの10年間に
既にかなりウェイトをアジアに移す努力をしています。
もちろん、個々の企業が中国企業の需要に対応したことが
そうした変化を日本経済にもたらしたのですが、
この動きはドルの国際通貨としての支配力の後退と共に
ますます勢いを増すことになります。
好むと好まざるにかかわりなく、
日本と中国の協力体制は強くなる方向に動くのです。

ですから1ドルが人民元でいくら、
また1ドルが日本円でいくらとドルを介在させて、
日中間で取引をしていたのではまどろこしいだけでなく、
ドルの相場に左右されて
よけいな心配は避けたいという気持が強くなります。
それを避けるためには
円と元のどちらかで取引することになりますが、
本当は双方に共通の通貨を必要とする時が必らずきます。
しかし、いまの両国は「近くて遠い関係」にありますから、
当分は円高で苦しんだり、
逆に人民高で思わぬトクをしたりと
通貨の変動に悩まされることが続きます。
そういうことに馴れない日本人の個人投資家は
人民元をいちいち日本円になおして損得の計算をしたりしますが、
私は日本株に投じた時は日本円で勘定し、
中国株に投じた時は、
人民元もしくは、香港ドルと、
それぞれの土地の通貨で計算するのが実用的だと思います。
一番大切なことはその土地に対して
信頼感を持っているかどうかであって、
土地の人々やその将来に不信感を持っていたら、
自分の大事なお金を出稼ぎに出すことはありません。
それでも中国株に投資する人がだんだんふえるということは、
中国経済の将来に対する信頼感が
ふえる方向にあると考えていいのでは、ありませんか。


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2008年11月8日(土)

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