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第3171回
はじめて金山の採掘現場の見学に

山東威高の次に伺ったのは金を掘るので名の轟いた
招遠市にある招金砿業です。
董事長の路東尚さんは
中国黄金協会の副会長をやっているくらいですから
同業の紫金砿業と肩を並べるスケールの大きな金山の経営者です。
金の伸棒とか大判小判なら目にしたことがありますが、
何しろ金山を見るのは初めてなので、
私は人里離れたところに
作業現場があるのだとばかり思っていました。
そうしたら、町の中にあるばかりでなく、
本社と工場のすぐ下に鉱脈が通っていて、
工場のすぐ地下から掘り出して精錬しているときいて
改めてびっくりしました。

この1、2年、
石油の暴騰と肩を並べて金の値段もオンス当り1000ドルをつけ、
当社も紫金についで立派な業績をあげたせいで、
株価も何と44ドルという高値をつけました。
しかもケチな国営企業と違って、
昨年度は1株当り0.25元の現金配当をした上に
1対1の無償増資で株主に大盤振舞いをしています。

それが世界的な株安のおつきあいをして
3ドル近くまで叩き売られているので、
その将来を卜する上で、
近況を知っておく必要があると思ったのです。
現場を見学し、
トップから直々説明を受けた招金砿業の業績には何の変わりもなく、
唯一の変化は金の相場が下がっていることです。
相場のある商品ですから
それをどう見るかは見る人によって違いますが、
金相場と連同して見れば、
その分だけ値下がりしてもおかしくありませんが
いくら何でも下がりすぎと判断すれば、
ナンピンの対象になる株の一つだということにもなります。

金も資源の一つであることは間違いありませんが、
通貨としての歴史もあり、
インフレに強い面も無視できません。
下げたと言っても採算を割っているわけではありませんので、
いまの相場をどう解釈するかは人によって違います。
気前のよい配当が今後も続くかどうかはわかりませんが、
気前のいい会社は今後も気前がいい可能性はあると見ました。


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2008年11月14日(金)

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