中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3172回
製紙産業は中国では成長産業の一つです

招金砿業の金鉱と精錬の現場を見学したあと、
その足で寿光市にある晨鳴製紙まで4時間もバスを走らせました。
説明会は晨鳴製紙の建てた
地元一の豪華ホテルでやることになっていたので、
先ずホテルに入りましたが、
お金のかかった立派なホテルであるのに先ずびっくり。
但し、1晩泊まって、いくら地元一の大企業でも
ホテルの経営までやるのは少しやりすぎじゃないかと思いました。
また折角の豪華ホテルでも一流のサービス教育をやっていなければ、
宝の持ち腐れだなという印象を深くしました。

製紙業は日本でははじまってから歴史も長いし、
競争も激しくて利益は紙の如く薄い商売と思われていますが、
中国ではいまなお成長産業の一つです。
言論の自由が少しずつ解放されると、
新聞も雑誌もふえる方向にあるし、
パソコンの普及に見合った形で
印刷用紙の需要も爆発的にふえ続けています。
王子製紙が中国進出にあたって
いきなり1千億円の予算を組んだのを見てもわかります。
但し、王子製紙は中国の政情や経済政策に無知なために
お門違いの扉を叩いてなかなか許可が下りず、
その間にここ寿光市にある晨鳴製紙をはじめ、
段ボールの玖龍紙業や理文造紙にまで先を越されてしまいました。

晨鳴製紙は山東一の製紙会社で
新聞用紙の製造工場も見せてもらいましたが、
着実に業績も伸ばしています。
但し、自信過剰で
海外の同業者や投資銀行に対しても高姿勢を続けたせいか、
株価はさほど高値まで買い上げられませんでした。
従って迎い風を受けても
玖龍や理文のような目にあわされないですんでいます。
安値になったと言っても2分の1か、3分の1ですんでおり、
10分の1、20分の1というような目にはあわされていません。
とすると、風が反対方向に吹くようになっても
また同じことが起るという可能性もあります。
同じジェット・コースターに乗るなら、
スリルのある方がいいと思う人にはあきたりないかも。


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2008年11月15日(土)

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