中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3173回
石油が下がっても山東墨龍は大忙がし

山東省は同じ沿海地域では貧乏省ということになっていますが、
その割には各地に工業用地があって、
地域によってそれぞれ地元産業が発達しています。
またその中からうまく時流に乗った成長産業が
次々と生まれています。
晨鳴製紙もその1つですが、同じ寿光市には
石油パイプで拡張また拡張を続けている
山東墨龍石油機械があります。

昨年5月、私がはじめて訪問した時は、
息子さんの張雲三副総裁に案内されて
工場内をゴルフ場を歩くくらい歩かされましたし、
またちょうど株主に対して1対4の無償増資をやって
1株がいきなり2ドルから10ドルまで買い上げられた時
でしたから、とても強烈な印象が残っています。

あれから石油は大暴騰したし、
掘削の事業はふえることはあっても、
減少することは考えられないにも拘らず、
株価はついにたったの50セントまで叩き売られています。
考えられるマイナス要因は
(1)鉄などの主要原料が暴騰している。
(2)人件費も暴騰している。
(3)人民元が値上がりする方向にあって、
いずれも墨龍にとっては迎い風であるということですが、
1年半ぶりに再会して先ずきかされた第一声は
「仕事は間に合わないくらいあります」でした。

そりゃそうでしょう。
石油は下がり気味だと言っても、
どこの国も石油と天然ガスの生産には必死になっているし、
その設備拡張にそっぽを向くわけがありません。
ロシアだって商談が成立して発送をする1ヶ月前に
価格を調節することに応ずると言っているのですから
繊維や家電製品と同じ扱いをされるわけがありません。
とりわけ見学者には見ごたえのある見学コースがありますから、
誰もが強烈な印象を持って帰ります。
ましてや株価はたったの50セントまで叩き売られているのです。
むしろスケールの大きい割りには
粗利益率が低いことを頭に入れておく必要がありますが、
1ぺん工場見学をしたら、
そんなことなんか気にしなくなってしまうくらい
スケールの大きな工場なんです。


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2008年11月16日(日)

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