中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3179回
銘柄選びで目移りする時代に

この次の急騰する株を探がす時期に来たと言っても、
それをうまく当てるのは容易なことではありません。
次の時代に陽の当る業種は
必らずしもいままでと同じものではないからです。

しかし、過去に高値をつけて大下がりに下がっているということは
有力な買根拠になります。
かつて高値をつけたということは、
業種的にも業績的にも
投資家たちを魅きつけるだけの条件を備えていたということであり、
お金の動きによって一時的に見離されたにしても、
業種が時代に合っているとか、経営がすぐれているとか、
株主に対して気前がいいとか、
株価を高値まで買い上げられる条件を
そのまま備え持っていることが多いからです。

もちろん、なかには株主のことが全く眼中にないとか、
ケチで利益があがっても株主に全く報いようとしないとか、
国営事業時代の尻っ尾をつけたままの上場企業もあります。
そういう時代遅れの大企業はなるべく避けることです。
過去の株の高値と利益のふえ方と配当の実績を見比べれば、
どういう性格の会社であるかは大体わかります。

もう一つは過去の高値にこだわらずに、
次の段階に入った中国経済の中で
大きく成長する企業は何かということです。
時代が変わると陽の当る分野や企業が変わります。
いままでは小さかった企業に大きなお金が流れ込み、
見る見る大産業にのしあがります。
過去の10年間は、業界を独占していた国営事業の中から
そういう成長産業が頭角を現わしましたが、
次のステップでは個人経営からスタートした
中小企業あがりの上場会社が先端を切るようになりました。
時代の要求にあった事業やブランドが
時代の波に乗ってうまく大企業に成長して行く企業です。
かつては情報産業の中にそういう成長産業が多く見られましたが、
次はバイオを主流に、
次々と無名で新しい企業が輩出することになります。
目移りするのをうまく整理するのに一苦労する時代になります。


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2008年11月22日(土)

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