中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3252回
上海へ来たら「赤い靴」へどうぞ

「旧天地」と私が勝手に名づけた
上海泰康路の古い路地裏に最近、
「赤い靴」というコーヒー・ハウスをひらきました。
雲南のQコーヒーを飲んでもらうための
小さな2階建の店ですが、「赤い靴」とは
「赤い靴穿いてた女の子、異人さんに連れられて行っちゃった」
という横浜の港の雰囲気を連想する童謡から思いついた
可愛らしいお店です。

そこの店では私たちが雲南省で植えた
ティピカ種のコーヒーを出しているのですが、
コーヒーのほか、
セールスポイントになるケーキが3つあります。
1つは成都の成田君が考案して野菜ばかりでつくった
いままでのケーキと全く違った口ざわりの
素晴らしいケーキですが、
口ざわりがいいだけでなく、
これは食べたら美人になりますと言われても、
反対できない素材と色合いなのです。

もう1つは私が「貴人運」と名づけた
「あなたを引き立ててくれる人に出会う好運のケーキ」です。
主原料は雲南省でとれるカボチャと
山東省のリンゴからとれるペクチンをまぜたものですが、
ペクチンは血圧を下げるコレステロールを
たくさん含んでいると言われています。
それがまたほのかな甘味におさえられているので、
はじめの一口はおそるおそる口に入れますが、
あッという間に皿の上が空になってしまいます。

そして一番最後が5元で口に入るシュークリームです。
世の中には必らずどこにでもいるけちん坊のために
歩きながら食べるケーキをつくっています。
立派な店に入って5元のシュークリームだけ食べるために
座席を平気で占領する女の人もたまに見られます。
倹約したいために安い物を食べると
人は一生、安い物を食べて人生を終わるものだということを
知らない人のケーキです。

でも2人で入ってきた人は
ほとんどの人がコーヒーは各1杯、
ケーキは1個ずつ注文した2種類のケーキを
仲好く食べますから、
何人入ったかによって簡単に売り上げの計算ができます。
一見何でもない店ですが
そうした店のサービスの良さを中国人に教えるのは
意外にも日本の若い人たちなのです。


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2009年2月3日(火)

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