中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3253回
毒ギョウザは大改善のいいきっかけ

いまの日本は生鮮食品から加工食品に至るまで
かなりの量を中国からの輸入に依存するようになっています。
農薬の問題や毒ギョウザの事件が発生しなければ、
その依存度はふえる一方でしたが、
毒ギョウザに対する中国側の対応が
全くスマートでなかったために、
日本の消費者の不信感が一挙に高まり、
メイド・イン・チャイナの烙印があるだけで
一挙に敬遠されるようになってしまいました。

スーパーやデパートの食品売場から
中国製食品は一挙に姿を消してしまい、
それらの食品を専門に取り扱っていた業者の中には
倒産の憂目にあった者さえあります。
しかし、ウナギから和菓子のアンコに至るまで
日本製では価格も高すぎるし、量的にも問題があるので、
その表示を必要としないレストランや
加工食品売場から排除されていませんから、
実際には同じように日本人の腹の中におさまっています。
もはや中国製食品なしに日本の食品問題は
解決のできないところまで来てしまったのです。

現に実際に問題を起したのは
中国製食品のごく一部のことにすぎないし、
その安全性については
業者も人一倍神経を使うようになっているので、
消費者を安心させる何らかの保証をする必要に迫られています。
現に口から入れる物に対する安全性については
中国人の消費者にとっても同じように必要なことなのです。
ですから中国の乳製品の中に
メラミンが混入していたことが公表されて
大騒ぎになっていることは、
かつて日本でも起ったことですが、
決して悪いことではないのです。

いまの中国では農薬を使わない有機農業も
急速な勢いでふえているし、
それを表示した食品が消費者の選択の対象にもなりつつあります。
私は日本の消費者が一方的に中国製を排除するよりも、
日本の農作物生産者がもっとたくさん中国に行って
農地の開発に従事して
信頼のおける作物とその加工に従事するのが
正しい対応ではないかと確信しています。
現に私の周囲でもそういう事業に着手している人が
ふえつつあります。


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2009年2月4日(水)

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