中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3254回
中国製に新しいお墨つきの名案は?

私は雲南省の保山市というところで、
ブルーマウンテンに負けない
トップクラスのコーヒーを栽培していますが、
そこから一山こえると普茶(プーアール茶)という
全国的に名の知られたお茶の栽培をしています。
何年産という表示がしてあって、
古くなるほど値打ちが出るのは多分、
ワインとプーアール茶だけだと思います。
馴れないとカビ臭いのに閉口しますが、
時間がたつほど発酵がすすみ、
好事家から珍重されるユニークな銘茶です。

できのいいのになると、
500グラムで2000元(3万円)くらいしますが、
そんな値段でもクロウト筋では当り前のように取引されています。
但し飛行場の売店あたりで高い値段がついているのを見ると、
一般の人は騙されるんじゃないかと
思わず腰がひけてしまう高い値段のお茶なんです。

そんなお茶どころに、
私の知人で静岡で日本茶の製造をしている人を
案内したことがあります。
どうしてそんなに遠い所まで出かけてきたかというと、
その人は日本の茶の製造に危機感を抱いているからです。
日本では不景気のために失業がふえている一方で、
3Kに属する仕事には人が集まらず、
茶摘みをする人も少なくなり、
山は荒れ放題になりつつあります。
プロの計算によると、日本全体で年に1万トン、
金額にして400億円ほどの
茶の不足が生じているということです。

ですから不足する分を雲南省の山奥で生産して、
できることなら日本へ供給したいけれども、
日本ではメイド・イン・チャイナということだけで
消費者から敬遠され、
従ってスーパーもデパートも仕入を躊躇しています。
こうしたムードにどこかでストップをかけ、
むしろそれを逆手にとってコストが安くていい商品を
中国から供給する方法はないものかと模索しているのです。
何もお茶だけでに限ったことではありません。
この会社のギョウザなら中国製でも絶対大丈夫だという
お墨付きをもらう方法はないものでしょうか――
という質問をいま私は投げかけられているのです。
もちろんそれができれば中日間に新しい大きな道が
ひらかれることになるのではないでしょうか。


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2009年2月5日(木)

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