中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3257回
新四川料理で勝負を賭ける所です

いま私は新四川料理の開発に
かなりうつつを抜かしています。
どうして広東料理でもなくて、上海料理でもなくて、
四川料理かと言いますと、
はじめからおしまいまで
辛子で舌をしびれさせることに馴れた
四川省の人たちは広東料理にも上海料理にもなじまず、
四川風の調理に固執し続けているからです。

成都のイトーヨーカ堂の5階に大家であるうちの会社が
フード・センターを経営したことがありました。
中国各地の料理から点心店まで
何十軒かの店をひらいていましたが、
四川の人たちは目の玉がとび出すような
辛い四川鍋に執着して広い食堂は結局、
大半を鍋物に占領されてしまいました。
その一方で、15、6年前、
私がはじめて成都に足を踏み入れた時、
四川省長さんや成都市長さんたちに招待された
成都で1、2を誇る老舗は
悉く四川省の人たちに飽きられて、
今なお生き残っている店は1軒もありません。
時代の変化にうまくついて行けるだけの
改善のできている店が1軒もないのです。

うちの連中がそういう成都市に
日本風の焼肉屋を開業して、
お客が行列をするようになりましたが、
そこで働いているコックの殆んどが四川料理上がりです。
四川料理の基礎があるのに、
四川の人たちに受け入れられる
新しい四川料理を提供できていないのです。
そこで私はマネージャーに、
週に一ぺん、新しい四川料理のコンクールを開いて
1等になった人に賞金を出すように提案しました。
2ヶ月に一ぺんくらい私は現地に行きますので、
賞金をもらった人の発案した四川料理を
再現してもらっています。

いずれも四川省で最も豊富な素材をつかって、
四川の人ばかりでなく、
四川料理をひいきにする人たちに
喜んで受け入れてもらえる
四川料理のヌーベル・キュイジーヌが
もうこれで10種類くらいは開発されました。
それが20くらいに達したら、
新四川料理の看板を出す予定を建てています。
はたして受け入れてもらえるものかどうか、
楽しみにしているところです。


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2009年2月8日(日)

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