中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3269回
1日も早く1ドル100円に戻さないと

円高が続けば、この不況下で物が売れない上に
輸出した商品の代金が目減りして
ピンチが二重になって戻ってきます。
ですから新聞をひらくと連日のように
大企業の大赤字の記事が目の中にとびこんできます。
こんな状態が何年も続いたら、
ただでさえ赤字財政で苦しんでいる日本が
もっと難しいところまで追い込まれます。
さしあたり為替レートを
1ドル100円前後まで調節することが必要なのではないでしょうか。

いや、日本の為替は浮動性だから
政府がちょっかいを出すべきではないという建前があります。
でも浮動性とは投機筋の勝手に任せるということになりますから、
あらぬ方向に
それも極端から極端に動くことになります。
最近の石油の値段の動きがそれに近いと思ったら
わかりやすいでしょう。
ですからどこの国でも表向きはフロートでも、
蔭にかくれてコントロールしています。
俗にダーティ・フロートというのをやることによって
息をついているのです。
日本は恐らく世界でも
最も汚職の少い国にランクされると思いますが、
建前通りにやっていたら、
国が成り立たなくなるほどひどい目にあわされることは
先ず間違いないでしょう。

円高を建て前通りに放置しておいて、
やれ無差別にお金の分配をやるやらないの、
と同時に消費税の引き上げをいつやるのと言った
子供の遊びのような議論に明け暮れていたのでは、
日本の国そのものが持たないのではないでしょうか。
もちろん、日本の経済力が強くなって
円高にしなければ他国とのバランスがとれないことも将来、
全くないとは言いません。
その時に備えて円高対策をとる必要があるとしても、
それはいまのことではありません。
いまはさしあたりどうやって円高にブレーキをかけるか、
また国内の消費に刺戟をあたえるか、
が経済を立て直すための最優先の課題なのです。
そのために日銀が先頭に立って
1ドルを100円まで戻す必要があります。
それが1日遅れれば1日だけ
日本の産業界の受ける打撃は大きくなります。


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2009年2月20日(金)

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