中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3297回
あと半年で勝負が決まります

香港上海バンク(滙豐銀行)は香港の人にとっては、
政府に優るとも劣らない絶対的な存在でした。
株価が2ドルか、3ドル下がっても
大へんな話題になりましたが、
それが120ドル台からあれよあれよという間に
50ドル台まで下がり、
その時点で銀行は株主から増資を仰ぐべく、
12株に対して1株28ドルで5株の割り当てを発表しました。

時価の半額での増資ですから、
株主を優待した積りでしょうが、
発表後株が更に売り込まれ、
あッという間に40ドル台までおちてしまいました。
香港中の新聞がトップ記事で取り上げるようになり、
なかには将来の株価の戻りを期待するより
この際バイバイをした方がいいんじゃないか
という議論すらも少くはありません。
ホンシャンバンクが受けた損害もアメリカが一番深刻で、
その次がヨーロッパという順序で、
中国大陸はさほどのことはありません。
ほかのアメリカやヨーロッパ系の銀行は
持っている中国系の銀行の株を売り急いでいますが、
ホンシャンだけはやりくりに難儀しても
交通銀行の株をいまもってしっかり抱え込んでいます。
次の発展の段階での最も有望な市場は
中国をおいてほかにないことを
よく知っているからだと思います。

金融界のウミはまだ完全に出しきっていないし、
むしろ実体経済に及ぼす影響が
これから本格化するところですから、
ことし一杯かかっても
そう簡単には戻り足にはならない可能性があります。
しかし、人民大会での提案でも見られるように
金融面で一番被害の少い中国の方が
公共投資、大減税、金融緩和と
矢継早やの対策を次から次へと打ち出していますから、
はたして年8%の成長率が実現するかどうか
世界中が注目をしているところです。
もし本当にそれが中国政府の思い通りに実現したとしたら、
中国の政治制度や社会制度に対するいままでの評価が
大きく変わることになるのではないでしょうか。
その結果が出るまでにあと1年はかかるでしょうが、
半年もすれば株価に先行的な変化が現われると
私は見ています。


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2009年3月20日(金)

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