中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3327回
牛まんにも挑戦しているところです

たとえば湯麺(しるそば)には
豚肉でつくるチャーシュウ麺のほかに、
牛肉を使った牛肉麺があるのに、
肉まんのなかには豚肉を使った肉まんがあるだけで、
鶏肉を使ったものもなければ、牛肉を使ったものもありません。
羊肉を使った小籠包は鄭州と開封で口にしたことがありますが、
豚肉を食べない回教徒のためにつくられたもので、
ふつうの中国人には馴染まないようです。
鶏肉は小籠包にも汁そばにもさして合性でないと見えて
饅頭専門店のメニューにはでてきません。

しかし、牛肉麺は蘭州を代表する名物麺だし、
それを食べるために
わざわざ蘭州まで出かけて行ったことがあります。
台湾の牛肉はほとんど輸入品ですが、
牛肉麺は全島的に親しまれています。
経済が発展して豊かになると
牛肉の消費量がふえることは既に定説になっていますが、
恐らく中国も例外ではないでしょう。
これから牛肉の消費量がふえて、
鶏肉の消費量が後退することが予想されます。

そうした時代背景の中で
私は霜降り肉の生産に力を入れている人たちと親しくなったので、
最高級のビフテキ屋から屑肉や牛脂の利用法にまで
頭を使うようになりました。
もっと美味な牛肉麺はもとよりのこと、
牛肉を使って肉まんや小籠包をつくれないものかと
うちのコックたちにハッパをかけているところです。
日本では安い牛肉の中に
機械をつかって脂分を押し込んだビフテキを
900円で売っていますが、
肉に脂分がまざると味が一段とよくなるのです。
もしそうだとしたら、牛肉の屑肉と牛の脂分をうまく混ぜ合わせて
美味しい肉まんができてもおかしくありません。

北京の陶朱公館のコックにも、成都の牛々福のコックにも、
また東京で邱友会を開催している新葡苑のコックにも
同じ宿題を押しつけて目下、試作品をつくっているところです。
これは新商品の追求をしている一例にすぎませんが、
野菜、果物から食肉、鮮魚に至るまで
新商品をつくる可能性はいくらでもあるのではないでしょうか。


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2009年4月19日(日)

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