中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3334回
日本も中国も食糧の確保は大問題

日本農業の海外大移動が私の頭の中にあって、
その目で中国の農業を見ると、
中国の農業も一大転換期にあるのです。
日本では戦後、小作農に土地をあたえて農業の大改革をやった時、
農民の票を欲しがったせいもあって、企業による農業経営を禁じ、
代わりに農協をつかって農民の面倒を見させました。
肥料の調達から農作物の販売まで
商人のやる仕事をやらせましたが、
お役所の延長戦上の機構ですから生き残った仕事と言えば、
農民に対する金貸しくらいなものです。

気がついて見ると、
農業を本職とする人口は10%もいないようになり、
地方で農業に従事する人も日曜農民が大半を占めるようになって、
休閑地の面積が1つの県の大きさを越えています。
芸術のような農業は今後も日本に生き残るでしょうが、
食糧の6割以上を海外からの輸入に
頼るようになってしまいました。
今後の農業をどうするかは
失業問題に負けないくらいの大問題ですが、
自国内でそれを解決することはほとんど不可能でしょう。

中国にも同じ問題が起っており、
政府が中心になって問題の解決に取り組んでいますが、
その中国に日本がかなり寄りかかっていることも
ごらんの通りです。
ですから日本は自分たちの問題を解決するのに
かなり中国に頼っているところもあり、
それは中国の政府が中国のために真剣になって
考えるべきことでもありますから、
中国の農業に2重にウエイトがかかっているのです。

その中国で農業生産をふやすためには
生産性の高い大規模農業を開発するよりほかなく、
既に各地でその動きが見られるし、
その先端を走っている企業で上場しているのもあれば、
それに着手している企業も見られます。
なかでも超大現代農業と緑色食品は上場しているばかりでなく、
日本の農業に馴染んできた私たちには
想像も及ばないような経上利益をあげているので、
ほとんど数字の見間違いではないかと目をこすりたくなります。
そういうわけでわざわざ江西省から福建省まで
現場を視察に行ったのです。


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2009年4月26日(日)

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