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第3355回
「第二の香港」を目指す台湾の税法改正

香港は少し前に相続税を全廃しましたので、
相続の手続きを終了すれば、
無税で被相続人の財産がそっくり相続人の手に移ります。
そういう制度であれば、
かなりの資産のある人は誰でも
その大半を香港に移すことを考えます。
但し、財産を移すことは人が住所を移すより難しいので、
その効果がすぐ現われるものではありません。
恐らく10年がかりで効果の現われるものではないでしょうか。

台湾でもそれを見て、
最近、相続税を10%にとどめることになりました。
但し、これは税制改正の第1段階で、
いずれ相続税は全廃する方針だと当事者たちは声明しています。
お金が地球上を自由に動けるようになると、
お金のある人は死んだ時のことを考えて、
資産を相続税を課せられる所から
無税のところに移そうとします。
香港が無税とわかれば、台湾の資産家だって、
東南アジアで財をなした華僑の人たちだって
自分たちの財産をこっそり香港に移して、
香港から各地に投資する体制に変えます。
いまのところ、大陸には相続税はありませんが、
税制は整えられる方向にありますから、
いずれ大陸の資産家たちも少しずつ
目立たないように資産を香港に移すようになるでしょう。

台湾の場合は台湾の人たちが
既にかなりの資産を香港に移していますが、
相続税が免除されるようになれば、
香港に移そうと考える人を思いとどまらせることになるでしょう。
しかし、相続税改正の効果はすぐに現われるものではなくて、
相続税対策が10年がかりの大仕事であるように、
台湾ですぐにも効果をあげる性質のものではありません。
しかし、それでも台湾の経済政策が
どの方向に向うかを暗示するものです。
既に香港がそうであるように、
台湾も経済大国を目指す中国に対する投資基地として
世界中から利用される方向に向うだろうということです。
中国の大都市は大へんな勢いで香港化しましたが、
台湾は「第二の香港」を目指すようになったと私は見ています。


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2009年5月17日(日)

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