中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3358回
これからの中台交渉が難題中の難題

中国がアメリカと肩を並べて世界の2大大国になることは
もはや揺ぎのない現実と言っていいでしょう。
それを21世紀の半ば頃と見る人が多いようですが、
私があと10年あまりで
世界中から認められるようになるだろうと見ています。

そうなると、日本と中国の関係はどうなるだろうかと
日本人はすぐに考えますが、
その前に大陸の中国政府と台湾の関係がどうなるかが
一足先に決まります。
私は蒋介石の国民政府が
「2つの中国」を拒否して国連を脱退した時に、
もはや台湾の独立はあり得ない、
あとはどうやって両者が交渉の椅子に坐るかを
心棒強く待つ立場になりました。
途中で武力による解放の可能性が
全くなかったわけではありませんが、
台湾の民主化が進むにつれて
その可能性は次第に遠のくだろうと見るようになりました。
そして、連戦国民党主席が大陸を訪問して
北京大学で講演するに及んで
あとは時間の問題だと考えるようになりました。
平和的に解決できる問題を血を流して
汚名を後世まで遺す中国人がいるわけがないからです。

ご存知の通り両者の交渉は最近、
急速に進み、双方の飛行機と直行便を出すようになりましたし、
台湾の世界衛生機構へのオブザーバーとしての参加も
認められるようになりました。
しかし、難題はこれからいよいよ本番に入ります。
双方の交渉は台湾を代表して海基会の江丙坤と
中国を代表する海協会の陳雲林の間で行われていますが、
台湾では交渉に対する嫌がらせが後を絶たず、
少し前には江丙坤代表が馬英九総統に辞表を出すという
予想外のことが起りました。
その場で辞表は押しもどされましたが、
はたしてどういう幕合いになるかは誰にも予想はつきません。
それほど微妙で、且つ難題がうしろに控えているので、
お互いに色をなすことが今後も続くと見てよいでしょう。
でも台湾の人たちに受け入れられることが
問題の解決につながることを
大陸の政府も納得するようになったので、
台湾海峡の波を荒立てることにならないことだけは
はっきりしています。


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2009年5月20日(水)

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