中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3436回
ホテルのレストランに穴場があります

私は世界中どこに行っても、時差の問題はありますが、
3度のメシはちゃんと食べますので、
朝昼晩の食事はどこでするかが日課になっています。
昼と夜の食事をどこでするかは
先進国と発展途上国とで違いますが、
朝食は大抵、ホテルですませます。
朝食つきと設定されているところが多いせいもありますが、
朝、ホテルで食事をすると、
ホテルのレベルによる違いももちろん、あります。
しかし、ホテルのレベル以上に、
その土地がどんなところかということがわかります。
物資の豊富なところかどうかは一目でわかりますし、
ホテルのマネージャーがどんなことに神経を使っているかも
すぐに想像がつきますので、
町全体の様子が頭に浮んできます。

香港やシンガポールは小さな島の中にあって、
どこにも特産物なんてありませんから、
ほとんどが外地、外国から持ち込まれています。
しかし、お金もあるし、
高級品を仕入れることにも慣れていますから、
立派な物が豊富に取り揃えられています。
反対に中国の奥地の外人客のほとんどないところでは
土地の貧しい食べ物しか並んでおらず、
コーヒーどころか、ナイフやフォークさえ
自分で取りに行かなければお目にかかれません。
テーブルだって相席になっていて、
突然、知らない人が皿を持って
隣の空いた席に割り込んできてびっくりしてしまいます。

そうした地方のかなり立派なホテルの
朝食のレストランに共通したことは
昼と夜のお客がほとんどいないことです。
ホテルに泊っているお客は
ビジネスや観光に来ている人たちですから、
ホテルで食事をする人は先ずおりません。
すると立派な施設とコックや働く人は
ホテルのお荷物になってしまいます。
ホテルの朝食はほとんどが西洋食ですから
昼も夜も下手なフランス料理とか
イタリア料理ということになります。
地元の人が馴染んでくれるわけがありません。
新しい商売を考える人の大きな穴場と思いませんか。
私なら一生懸命、使い道を考えますが。


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2009年8月6日(木)

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