中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3437回
美味しい店は必らず続けて2回行く

旅行先の朝食はホテルで食べるとして、
昼食と晩餐はどこにするかは、
先進国と発展途上国で大きく違います。
私は2ヶ月に一ぺんは
視察団の人を連れてあちらこちら勉強に行きますが、
先進国はその都市で1、2を争う有名レストランに行きます。
私のよく知っている土地では私が料理屋を指定しますが、
よく知らない町は先ず有名店をいくつか教えてもらい、
メニューを送ってもらってチェックします。
昼と夜、またその前後と重なり合わないようにするためです。
旅行社に頼むと、安上がりの店とか、
リベートをくれる店に連れて行かれることが多く、
そんなことを一週間も続けると
ストレスがたまってしまうからです。

たとえば、パリやミラノに行って
ホテルで食事をする人などほとんどいません。
ホテル自身に
ミシュランの2つ星か3つ星がついているなら別ですが、
大抵はいま評判の有名店に予約をすることになります。
上海や北京や広州や成都でも同じようにやります。
しかし、インドやインドネシアに行って
ホテル以外のところにあるレストランに案内されても
満足して引き揚げることは先ずありません。
ですから発展途上国では大事をとって
昼食も晩餐もホテルに戻ってきてとります。
但し、それでは
その国のことがさっぱりわからなくなってしまうので、
知らない国で偶然に入って思わぬ美味にあずかった時は、
翌日も同じ店に行くことを心がけています。

たとえば、オランダとか、ドイツとか言った
料理にさえ定評のない国でも
思わぬ美味にぶっつかることがあります。
そんなことは滅多にないのですが、チップをおく習慣のある国では、
ちょっとばかりはりこむことです。
そうして次の日か、またその次の日にもう一度出かけて行くと、
向うもよく覚えていて前回には経験しなかったような
手厚いサービスをしてくれるのです。
これぞ旅の喜びの一つです。
そしてそういう知恵が自然に身につくのも
旅の喜びと言ってよいのではないでしょうか。


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2009年8月7日(金)

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