中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3445回
次の銘柄選びで気をつけるべきこと

中国は帝制だろうと、共産主義体制だろうと
骨格が官僚専制でできている国ですから、
お役人さんが一番権力を持っています。
官僚の積極的な後押しか、少くとも黙認がなければ、
大きな事業を展開することはできません。

私たちが中国で仕事をはじめる場合だって
お役人にそっぽを向かれたり、
敵意を持たれたら身動きができなくなってしまいますから
店びらきをしたら先ず公共関係に神経を使います。
物をつくったり、売ったり、
ちゃんと代金の回収をしたりするのだって大へんなことですから、
その上にお役人の動向に気をつけなければならないのですから、
並大抵のことではありません。

たとえば上海で新築してまだ入居者のない
13階建のマンションが倒壊した事件がありましたが、
新聞の報道によると世間に全く知られていない建設業者が
常識をこえる安い値段で土地を手に入れています。
ということは監督官庁と
普通でない関係があったと考えるよりほかなく、
いまの中国で産をなすということは
お役人の後押しなしにできることでないことがわかります。
何しろ土地はすべて国家の物だし、
石油だろうと電力だろうと、
店をひらく営業許可だって役人の手に握られているのですから、
利権につながる仕事は
すべて普通の関係では可能性がないということです。

従って株式市場で有望な株を物色する場合だって、
その大半は役所の延長線上にあるか、
そういう人たちによって運用されていると見てよいでしょう。
もちろん、国営事業からスタートした事業でも、
経営陣に人を得て民間人では及びつかないような
尖鋭的経営が目立っている企業も
10に1つか2つくらいはあります。
しかし、その大半は特権の上で
居眠りをしているような存在ですから、
そういう株を買うことは
かつての国鉄にお金を出しているような目にあわされます。
その点も考慮に入れないと、
次のブームにおいてきぼりになる可能性があります。


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2009年8月15日(土)

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