中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3446回
国内消費の本命はまだこれから

いま中国は景気の後退で産業界が沈滞することを避けるために、
8%の成長率を達成するために懸命の努力をしているところです。
1月から3月までの6.1%に対して、
4月から6月は7.9%にこぎつけたので、
年間を通して何とか8%は達成できるのではないかと
新聞も報じています。
どうして8%でないと駄目かというと、
8%の成長を維持できれば何とかこれまでの生産体制を続行し、
新しい失業者を出さないですむからです。

しかし、仮りに生産水準が維持できたとしても、
業績が悪化したり、倒産する企業が
なくなってしまうわけではありません。
輸出は悪化の一途をたどっているし、
何とか輸出路線をつないでいる企業でも値切られたり、
数量が減って業績は悪化しています。
深圳や東莞あたりの企業倒産や社長の夜逃げを見たら
そう簡単に恢復できるものでないことがわかります。

それに対して国内消費の刺戟によって
その分を補えと言っても、
同じ企業が国内で物が売れるわけではなくて、
全く別の仕事をしている企業が
それにとって代わるということです。
ですからもう何年も前から私は輸出産業の株を買うな、
輸出産業の株よりも輸入産業の株に注目を、
と言い続けてきました。
輸出黒字がふえて外貨準備が更に上積みになれば
人民元切上げの圧力は強くなるし、
所得の向上した分だけ高級品嗜好もふえるから、
輸入業者に有利になると考えたのです。

ごらんの通り世界的に有名なブランド商品の店が
地方都市のメイン・ストリートや
百貨店のコーナーを占領するようになってしまいました。
しかし、ブランド商品が
国内消費の増大分を充たしてくれるわけではありません。
デパートの一階を靴の売り場がほとんど占領してしまいましたが、
いくら靴の好きな中国人でも
靴だけ穿いて生活しているわけではありません。
国内消費の推進役をつとめる商品はまだまだこれから
開発しなければならないのです。


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2009年8月16日(日)

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