中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3486回
株をやるなら成長株買いに限ります

私の知っている人で、
ソニーがまだ東通工と呼ばれていた頃、
のちに長い間、ソニーの社長をつとめた盛田昭夫さんと友人で、
「お前、俺んとこの株主にならんか」と言われて、
1株50円の株を1000株、5万円で買って
死ぬまでずっと持ち続けた人があります。
死んだ時に時価で評価したら10億円になっていたそうです。

これは実話です。
こんな話をきいたら、誰だって、
俺も株を買って見ようかという気になります。
但し、実際にそういう幸運に恵まれる確率は
恐らく1億人に1人くらいでしょうし、
それができたとしても、
死ぬまでに10億円の恩恵にあずからなかったのですから、
そんなに羨ましいことではありません。

仮りにあなたが似たようなことをしようとしても、
その株がはたしてソニーのような大成長をするかどうかは
実際にそうなるまでわかりません。
選ぶなら既に世間から評価されている一流株よりも
創業して間もない無名株でなければならないし、
そういう出世株で本当にソニーのような大成長を遂げる株は
万に一つもあるかどうか。
仮にそういう出世株だとしても株価が10倍になったら、
もういいやと売っ払ってしまうことが多いし、
反対に待てど暮らせど、梃子でも動かない株なら、
辛抱しきれなくなって売っ払う可能性は
もっとずっと多いと思います。

「いやいや、俺なら大丈夫だ」と言って
10億円になるまで頑張って死ぬまで持ち続けたとしても、
死ぬまでその10億円に手をつけないことになりますから、
実は持っていなかったのと結果は全く同じです。
精々、相続人が相続税を払って相続するのがオチで、
株は売らずに一生持ち続けるよりは、
やっぱり儲かったら、適当なところで儲けを実現して、
考えたこともないような贅沢をして見るに
こしたことはありません。
但し、そういうことができるためには
やはり成長株を狙う必要があります。
株は安い時に仕入れて高くなったら売ればいいのですが、
それがなかなか難しいのです。


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2009年9月25日(金)

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