中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3494回
企業より資本が一足先に海外へ

円高が続けば、
国内で物をつくって海外に売るのは不利になりますから、
自動車メーカーでも、家電メーカーでも
生産基地をドンドン海外に移すことになってしまいます。
グローバル化の時代ですから、
どこへ移ろうと自分たちでやっておれば、
日本企業であることに変わりはありませんが、
日本国内に残された人たちは
仕事がなくなって失業してしまうし、
税金を払ってくれる人も少くなってしまいます。

日本の国のことだけを考えたら、
円高は国のためにはなりませんが、
個人の立場で言えば
円高になった分だけ外国のお金に比べて
金持ちになったことになります。
ですから日本のお金を外国のお金に換えて
外国で運用すればその分、有利になります。
簡単に言えば、同じ株を買うにしても、
日本円で日本の株を買うよりも、
日本円を日本より成長性の高い国のお金に変えて、
その国の株を買う方が日本人にとっては有利な時代に
なりつつあるということです。

このことは何もいまにはじまったことではありません。
アジアの時代がはじまることを予想して、
私は30何年も前から、
フォー・スモール・ドラゴンズからはじまって、
20年前からは中国経済の高度成長に肩入れをしてきました。
中国で証券取引所が発足し、
上海や深で証券会社の前に行列ができた時も、
「バカにしてはいけない、やがて世界中が注目する時がきますよ」
とアドバイスことがあります。

あれから20年あまりの歳月がたって、
中国株の取引をする日本人も日増しにふえていますが、
日本の産業界が停滞する方向に向っているというのに、
円が逆に値上がりすれば、
日本国内で株式投資をするよりも、
日本株を売って、中国とかベトナムとか、
気の早い人はインドやロシアやブラジルまで
足を伸ばすことになります。
その成果がどうなるかは別として、
お金がそうした動きをすることは先ず間違いありません。


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2009年10月3日(土)

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