中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3495回
海外に出たら円建てで物を考えるな

日本人は円で生活しているので、
自分の持っている財産もつい円で計算してしまいます。
銀行預金がいくらで、毎月の収入がいくらで、
住んでいるマンションの時価がいくらで
まだ残っている銀行への借金をさし引くと
正味でいくらといったことも、
すべて円建てで計算します。

そういう人が中国株や香港株やベトナム株に手を出すと、
毎日の相場が現地の通貨で表示されますから、
投資した株や不動産の時価も現地通貨で表示されます。
現地で現地通貨で投資している人は
現地通貨からスタートしていますから
それほどではないと思いますが、
日本にいて、日本円を
日本の証券会社に預けて売買している人は、
つい毎日の取引の結果を日本円に換算したくなります。
そうすると、現地通貨では財産がふえているのに、
日本円になおすと、円高によって
逆に財産が減るということも起ります。
そういうことでいちいち一喜一憂していたのでは
海外投資はつとまりません。
海外投資をやるからにはその国の通貨でふえたか、減ったか、
計算することになれる必要があります。

しかし、最終的にはいつか投資をやめて
日本円に換えて日本に持ち帰ることもあるかも知れません。
そういう場合に大きな損害を蒙らないためには、
投資先の通貨が値上がりする方向にあるかどうかを
見極めておく必要があります。
ドル建てはどうだ、香港ドル建てはどうだ、
ベトナム通貨建てはどうだ、ということを
見極めることもとても大切なことです。
そうした場合、ドル建てが恐らく一番駄目でしょうが、
上海B株はドル建てでも
買っている内容は中国の企業の業績ですから、
アメリカの株や債券を買うのとは自らわけが違います。
しかし、その場合でもドルの影響を全く受けないとは
言い切れませんから敬遠するムードがないとは言えません。
最近、上海B株に鳴かず飛ばずの動きがあるのは
ドル建てであることと全く関係がないとは言い切れません。
いずれ改廃されることが考えられますが、
A株との株価の格差を狙う動きもなお残されています。


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2009年10月4日(日)

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