中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3500回
サッポロ・ラーメンより北海道ソバはいかが?

どうして北海道が日本にとって
開発の観光資源として残ったかというと、
高度成長下の日本で北海道が長い間
高度成長について行けない乗り遅れた存在だったからです。

日本国中が工場建設で血眼になっていた頃、
北海道はどちらかというと、
集団就職の供給側と見なされ、
現地では水産物とか農産物とか、
炭鉱、材木などの天然資源に依存した産業の開発しか
見られなかったからです。
その頃、私は年に180回も講演をこなし、
全国をとびまわっていましたが、北海道に行くと
日本とは違った国に連れて来られたのではないかという
印象さえ受けました。
北海道の人は流行に敏感な新しがり屋で、
東京でハヤリはじめたファッションは
札幌がそのすぐ後に続くという
ハイカラな新しがり屋の町でしたが、
付加価値の少い環境ではそのあとが続きません。
ですから「どうしても商売では遅れをとりますね」
と私に言われたことがありますが、
土地の産物と天然資源に依存したことが、
100年に1度のピンチにあっても、さほどの被害は蒙らず、
むしろ昔と同じ平和な暮らしが続けられるのではないでしょうか。
成長を当て込んで東京から進出してきた流通業者は
あてがはずれて選手交替をくりかえしているようですが、
平和で新鮮で食べ物の豊富な北海道は、
高度成長でいまや息の詰まりそうな中国大陸の人にとっては
却って極楽に見えてしまうのです。

そうなると、北海道が日本を代表する観光名所として
中国の観光客を受け入れることも考えられますが、
いままで東京や大阪で消費されるのがやっとだった
北海道の海産物や農作物が
所得の上がった北京や上海やさては成都や重慶にまで
売れるようになることも夢物語ではなくなっています。
現に北海道の蕎麦ももとを言えば、
四川から雲南にまたがる韃靼地域から渡来したものですが、
いまはニシンが不漁で鮭の時代ですから、
いつまでもニシンソバであっていいわけもなく、
いま鮭を使った北海道そばが中国に逆上陸しても
おかしくはないのではないでしょうか。
サッポロ・ラーメンよりも北海道シャケ・ソバを
売り込もうじゃありませんか。


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2009年10月9日(金)

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