中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3505回
トウモロコシの加工と石油生産機械

最近は電気自動車が人気を呼んでいるので、
電池メーカーが注目を浴び、
その分だけトウモロコシからガソリンの代用品をつくる事業も、
また石油の値段が落着いたせいで、
石油の掘削に必要な生産設備を生産する企業も
忘れられがちになっています。
株式投資は人気投票みたいなものですから、
人気離散した株を持ち続けている人は
気が気でならなくなってしまいます。

しかし、人気はいつまでも続くものではなく、
時間がたつと必らず衰えます。
そして、次の人気あるものに交替します。
電気自動車が流行るようになったからと言って、
自動車のすべてが電気自動車に代わるわけではなく、
電気自動車が一人前の自動車になるまでに
まだまだ改良の余地もたくさんあるし、時間もかかります。
そのプロセスで石油に陽が当って、
更に第四次、第五次の
石油ショックが捲き起ることだってあり得るし、
トウモロコシ・メーカーが脚光を浴びることだって
必らずあると言ってよいでしょう。

ガソリンの値段がとりあえず落着いたからと言って
安心できるわけもないし、
大成生化や山東墨龍の株価が梃子でも動かなくなったからと言って、
これらの銘柄の成長性が失われたわけでもありません。
大成生化は赤字決算になっても、
来期を見越した強気の馴染みが多いせいで
あまり株価が下がっていませんが、
山東墨龍は石油が泣かず飛ばずでも仕事がふえているのに
かなり株価が下がっています。
とりわけ輸出がふえているのは
世界中の産油国が開発の手を全くゆるめていないという証拠だし、
大成生化が1社で加工に廻される年間3千万トンのトウモロコシの
3分の1の加工を目指して増設また増設と続けているのは
今後も成長が続くという何よりの証拠でしょう。
ですから市況産業で一山あてるのもいいでしょうが、
私なら安くなった石油のこの次の大波と
設備投資の方に賭けます。
忘れられた成長株ほど
焼けぼっくりに火がついたら勢いづくと見ています。


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2009年10月14日(水)

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