中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3560回
浮き袋が大船に化けるチャンスも

折角はじめたコーヒー園の仕事を
何とか潰さないですむ方法はないかとあえいでいるうちに、
次から次へと新しいビジネスが私のところへとび込んできました。

コーヒー・ハウスを成り立たせるために、
パンとケーキの工場をつくったのですが、
お客さんに馴染んでもらうためにはそれなりの時間がかかります。
自分たちの店だけで売っていたのではタカが知れているし、
他人の店で売ると、売れ残りはどうするかという問題と
お金を約束通りに払ってくれない心配があります。
と言って、日本のスーパーや百貨店に話を持ち込んでも、
山崎パンとか、既に売店を持った業者が控えています。

やむを得ず自分らの店でコツコツやっていると、
ひいきにしてくれるお客さんがだんだんふえて、
噂が噂を呼んで、日本人の間でだんだん有名になります。
スーパーやデパートの方でも良い商品はないか、
人気のある商品はないかと虎視眈々としていますから
気がついて見たらそうした店から
少しずつ商談を持ち込まれるようになります。
というのも今までスーパーで売られている商品は
韓国や台湾の人が経営している工場が多く、
同じことのくりかえしでお客から飽きられても
自分たちで気づかないことが多いのです。

そういうスーパーやデパートの要望にこたえて
試作品を送り込んで見ると、
それが思わぬ人気を呼んで日増しに注文がふえます。
それも既存の商品よりサンドウィッチやハンバーガーや、
要するにサラリーマンの昼食として間に合う
新しい需要がふえるので、気がついて見たら、
工場の建て増しくらいでは間に合わず、
次から次へと工場を拡げて行くスケールになってしまったのです。

片手間にはじまったような商売が
本職になって1年に売上げが倍になるという
パン屋のバイバイ・ゲームがはじまります。
コーヒー屋の手助けの積りだったのが
コーヒー屋を遥か下に見おろす成長産業に育って行くのです。
これでは何がどこで身を助ける生命の縄になるのか
わかったものではありませんが、
担当者たちはとても張り切っています。


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2009年12月8日(火)

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