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第3561回
普洱茶の製法にも改良の余地が

「瓢箪から駒」と言いますが、
いつも新しいことを追っ駈けていると、
思わぬ話が次々ととびこんできます。

昆明の翠湖賓館という5つ星のホテルに邱公館の店をひらくと、
雲南省の最高級のコーヒーが
少しずつ外国人の間で評判になりはじめましたが、
雲南は何と言っても普洱茶の本拠地です。
外国人はコーヒーを注文しますが、
地元の人は「普洱茶はないか?」と必らずききます。

普洱茶はご承知のように決して安価なものではなく、
お茶屋さんで普洱茶を注文する時
かなり覚悟をする必要があります。
或る時、私は翠湖賓館の総経理に誘われて
近所の茶館に行ったことがありますが、
7人で普洱茶を飲んで、あとで領収書を見せてもらったら、
730元でした。
1元が15円でしたから1万950円です。

それでも邱公館で普洱茶の注文があるのは
地元の人が普洱茶を飲みなれていることのほかに、
普洱茶は何回でもお湯をさして飲むことができるので、
70元で急須1個分頼めば、
3人でも5人でも間に合ってしまうからです。

ご存知の通り、普洱茶はワインと同じように
年代によって値段も違い、古いほど珍重されます。
ですから以前は私も香港に住んでいた頃、
目の玉がとび出るような値段で普洱茶を買っていました。
しかし、年に何回も昆明に行くようになると、
普洱茶はこのままでいいのだろうかと考えるようになりました。
そこへ邱友会のメンバーである静岡のお茶のメーカーが
私と一緒に昆明に行くようになると
あれこれと新しいアドバイスが出てきます。

恐らく1000年以上もの歴史のあるいまの普洱茶ですが、
日本のお茶のメーカーから見ると、
改良の時期に来ているというのです。
GMやフォードだって日本の駈け出しの自動車メーカーから見たら
改良の余地がいくらでもあるのですから、
決して珍しいことではありません。
いつしか私も改良の話に耳を傾けるようになっていたのです。


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2009年12月9日(水)

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