中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3563回
普洱茶の産地で日本茶の生産もできます

茶の文化は中国の歴史と共に長いものですから、
恐らくそれが唐の時代の留学僧たちによって
日本に持ち込まれたのでしょう。
「茶の湯」というと、
日本の伝統文化を代表するものとして喧伝されていますが、
いまの中国で抹茶を飲む習慣は残っていません。
でも歴史の本を読むと唐の時代までは多くの人に親しまれたもので、
宋以後だんだん廃れたけれど、
日本では廃れるどころか、表千家とか裏千家とか、
大名たちの飲み物として生き残り、
いまでも産業界のボスたちのお茶を立てるプロとして
大事に扱われています。

もちろん、伝統文化としての歴史が長い分だけ、
中国には陸羽といった茶聖もおれば、
茶に関する文献も山ほどあります。
そうした中で、普洱茶だけがフランスのワインと同じく
時間がたつと味のよくなる貴重品として
骨董品並みの扱いを受けていますが、
その科学的根拠もこれまたワインと同じく
きちんと説明できるものではなく、
舌と鼻が唯一の頼りになっています。

私たちがコーヒー園をつくったのは
たまたまコーヒーの木を栽培するに適した地域で、
ほとんど隣り合わせに普洱茶の茶畑が拡がっています。
ですから地元のお役人さんに紹介されて
お茶をつくっている人たちとも懇意になったのですが、
茶畑を見せてもらったり、お茶のつくり方をきいていると、
茶の木も大葉か、小葉の違いがあるだけで、
日本と違ったものではないし、
お茶の製造過程も地元の伝統的なやり方を継承しているだけで、
同じ茶の葉で緑茶をつくることもできれば、
番茶をつくることもできることがすぐにわかりました。

雲南省は普洱茶の産地であり、
普洱茶の方が値段が高く売れるから
普洱茶をつくっているだけのことで、
市場さえあれば、日本で消費される緑茶や玄米茶や抹茶だって
すぐにもつくれるのです。
しかもお茶の渋味をとる栽培法は日本の方がすぐれているので、
日本からお茶のプロを派遣して茶の木の栽培をやって見ると、
すぐにも改良の余地が大きいことを発見したのです。


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2009年12月11日(金)

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