中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3571回
金の相場が暴騰したら何が起るか

最近、金の値段が新高値をつけて話題をさらっています。
「金を買え、金を買えば絶対間違いない」と本にも書き、
講演をしてまわっている経済評論家の人たちは
得意満面でしょうが、
そんなことはずっと前からわかっていたことです。

金はそもそも大昔から物々交換をする仲介をする手段として
通用してきました。
通貨の貨の字を見てもわかるように
昔々は黄金でなくて貝殻がその役割をはたしていたのです。
物々交換の仲介をするためには
持ち運びが便利なことと、簡単に腐ったり壊われたりしないことと、
稀少性が条件となります。
金とか銀とかが貴金属としてその役割をはたしてきたのは、
金と銀がそうした条件を備えていたからです。

資本主義がまだ今日ほど発達しなかった時代の支配者たちが
金や銀を宝のように考えて自分たちの国から持ち出すことを禁じて、
その掟を犯す者を死刑に処したのを見ても
金そのものを絶対的な宝と考えていたことがわかります。
それに対して経済学の始祖と言われるアダム・スミスは
「金があれば葡萄酒が買えるのなら、
葡萄酒をつくれば、金が手に入るじゃないか。
本当に値打ちのあるのは葡萄酒をはじめ
私たちの生活に必要な日用品をつくる労働力じゃないのですか」
とはじめて労働価値説を唱えました。
ここから今日、私たちが物と金の動きをとらえる
経済学がはじまったのです。

金は長い間、私たちの生活の上で重要な役割をはたしてきましたが、
物々交換のためにいちいち持ち歩くのは大へんだったし、
それに交換される物がびっくりするほどふえて
金貨や銀貨では間に合わなくなってしまいました。
そこで紙幣を印刷して
「この紙幣は必要な時にはいつでも金貨に換えてさしあげます」
と印刷して金貨の代わりに通用させたのです。
ところが、そうなると紙幣をドンドン刷らないと間に合わなくなり、
いつの間にか紙幣が金貨の役割を
はたすようになってしまったのです。
金貨がなくても物々交換は成り立つようになったし、
現に成り立っているのです。


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2009年12月19日(土)

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