中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3575回
お金が逃げて次に企業が逃げます

もし日本の政府が円高への動きをこのまま放置しておけば、
ドルは80円を更に割って70円台、
60円台になることがないとは言えません。

するとどうなるかというと、
日本の大半の生産事業が大赤字になりますので、
破産に追い込まれるか、
工場ごと海外移転に取り組むようになります。
輸出産業は国内から外国へ商品を輸出するのをやめて、
工場を中国とかベトナムとかタイとか、
あるいは輸出先の国に移動して
現地生産に切り換えるよりほかなくなります。

お金はそれより一足先に日本からとび出して
お金の儲かりそうな国や地域に動きます。
どうしてかというと、
日本本国で株を買っても上がるどころか、
逆に値下がりする可能性が大きいし、
不動産に投資しても、
不動産会社の倒産ぶりを見てもわかるように、
弱気の動きに転ずることは避けられなくなるからです。

その上、税収不足に悩む政府が消費税をはじめ、
色々と理屈を並べて増税に転ずることははっきりしていますから、
お金の方が人間より逃げ足が早いのです。
しかし、いくらお金の方が逃げ足が早くても、
人間が日本に残っていると、人間の方が人質にされます。
外国で稼いだお金に対する課税がいまよりずっときびしくなって、
少ししか海外収入のない人は
ブツブツ言いながらも税金を払いますが
海外の収入の方が国内での所得を遥かに越える人は
日本に住んでおられなくなります。
つまり日本はお金儲けの上手な人の住むところで
なくなってしまうのです。

では誰が日本に住むかというと、
収入が少なくて国からの援助で生活をする人と、
そういう人たちから票をもらって当選する
政治家ということになってしまいます。
そういう国が国として成り立つかどうか知れませんが、
いまやっていることがこのまま続くと、
そういう結果になってしまいます。
あなたはそのどちらを選びますか。


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2009年12月23日(水)

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