中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3580回
廃棄物処理は次の成長産業です

国が公共事業のために莫大な予算を計上しても、
どこかの会社が大きく潤おって、
株が大あがりにあがることはあまり期待できません。
国の仕事を請負う企業は大半が国が大株主になっている会社だし、
仮りにその会社が大きな利益をあげたとしても、
まさか配当を大奮発するわけには行かないからです。
ですから金を掘っている会社だとか、
銅や石炭を掘っている会社の方が
まだチャンスが多いということになります。

しかし、環境汚染だとか、飲み水まで不足するということになると、
政府が黙っているというわけに行きません。
国が七面倒臭い規制をしたり、奨励策を打ち出したり、
税金を負けてくれたりということが次々と起っています。
私が次の成長株としてこの5年間、一貫して注目してきた株に
東江環保というゴミ処理、リサイクルの会社があります。

12月に入って久しぶりにこの会社を訪問しました。
私が1回目に訪問した時は株価が80セントでしたが、
2回目に訪問した時は3ドルをこえていました。
私が投資家たちの注目を促すと、6ドルまで暴騰しましたが、
業績が着実に上昇しているにも拘らず、
不況を怖れて無配を続けたので、
人気を失って2ドル台を割るところまで売られました。

でもそろそろいいのじゃないかと思って今回、
3回目の訪問をしたところ、
何と目の醒めるような新しい本社が完成し、
1ヶ月ほど前に新社屋に引っ越していたのにびっくりしました。
同行した仲間の第一声が「配当はいつですか」でしたが、
話のわかる董事長さんは
「次は必らず配当します。私も大株主ですから」
と約束してくれました。
中国が世界の工場になったことは
世界中の環境汚染を一手に引き受けたことにほかなりませんから、
仕事はいくらでもあります。
現に同社は深圳でなく、
全国各地に手を拡げてスケールも見違えるほど大きくなっています。
こういうのを私は成長株と呼んでいますが、
骨組みがしっかりできあがるまで
辛抱強く見守ってやる必要があることはお忘れなく。


←前回記事へ

2009年12月28日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ