中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3598回
今こそ会社を辞めるチャンスです

いよいよ日本もこれから失業の時代に突入します。
昨年の暮れ、家内と久しぶりに大陸に行くので、
クリスマス・イブとクリスマスの日と、
続けてデパートに何かお土産でもと思って
出かけて行ったのですが、
どこのデパートもほとんどお客が入っておらず、
特売場でさえ売り子の数がお客の数よりたくさんでした。

こんなことで、デパートもスーパーも
商売になるわけがありませんが、
これは客商売が駄目というよりも、
お客の方が大へんなことになっているということです。
お客の方が払うお金がないか、
お金があっても使う気にならないからであって、
そういう状態がこれから長く続くということですから、
失業が更に失業を呼ぶことになるのです。

こういう時は誰でも失業することを怖れて
いまやっている職場にしがみつこうとします。
しかし、仕事場の方は賃金が払えなくなりますから
人減らしをしようとします。
財力のある会社なら退職者に気前よく退職金を払います。
すると、自分の将来に自信のある人は恐れずに退職をし、
他に仕事を見つける自信のない人は
もっと必死になって今までの仕事にしがみつきます。
すると、人減らしの度に有能な人が会社を去り、
会社には会社にぶらさがって生きる人たちだけが
残ることになってしまいます。
こんなことをくりかえしたら会社はあとどうなるのでしょうか。

ですから失業の時代には自分が将来、
見込みのない就職先だと思っている会社を辞める
またとないチャンスだということになります。
自分の将来に自信のある人にとっては
失業を選ぶまたとないシーズンが来たということなのです。
でも仕事のない時に仕事をやめてどうするのですか。
そう思う人は次の時代を生きて行けない人たちなんです。
世の中には道があるから歩く人と
道がないから道をひらいて自分も歩き、
人にも歩かせる人があるのです。
自分で道をひらくだけの勇気を持った人にとっては
元気の出る時代の変わり目が近づいているのです。


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2010年1月15日(金)

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