中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3599
新ミドルクラスの誕生が見えてきました

昨年の暮れからついここ2、3日前まで、
私は家内を連れて
2年ぶりに上海・成都・昆明・騰冲・北京をまわってきました。
騰冲という西の果ての新しい観光地を除けば、
いずれも勝手知ったところですが、
これから10年の中国がどういう方向に展開するかについて
今までに考えられなかったような
いくつものヒントに恵まれた旅でした。

大晦日から正月にかけては上海と成都にいましたが、
大晦日に上海で勝手知った
金牛苑というベトナム料理屋に出かけたところ、
大入満員で座席がなく、
入口の寒い風が吹き込んでくるテーブルに案内されました。
いくら何でも座ってはおられないので、
奥の席が空くまで待たされましたが、
こんなにレストランが超満員になるのは
この10年に経験したことのないことでした。
しかも客の年齢を見るとほとんどが40才より下で、
一人っ子を連れての家族パーティーも珍しくありませんでした。

40才から上の人は中国が貧乏だった時代に育っているし、
食うや食わずの目にあわされているので、
収入があるようになっても無駄なお金は使いません。
その点、この20年、高度成長の波に乗って育った連中は
うんと気前がいいのです。
ですから成都ではイトーヨーカ堂も伊勢丹も大入満員で
席の中が歩けないほど混雑し、
不景気どこ吹く風という賑わい方でした。

とりわけ西の果ての騰冲で泊ったホテルも
40才に届かない若いカップルで溢れるような人だかりで、
過去20年間に見られなかった消費ブームが起っているのです。
中国には新しい中産階級が誕生しつつあり、
全人口の約15%に当る
2億人にのぼるだろうと私は予言したことがありますが、
その姿をはっきりと
自分の目で確かめたのはことしの正月がはじめてです。
輸出の減少分を国内消費の増加ではたしてカバーできるのか、
私も首をかしげながら観察していたのですが、
この正月の光景に接してすっかり自信を持ちました。
中国では新しい消費の時代がはじまろうとしているのです。


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2010年1月16日(土)

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