中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3604回
不動産ブームはまだまだ続きます

家を建てる仕事は中国人の最も得意な分野です。
経済成長がはじまる前は、大した建物もなかったのが、
あッという間に高層建築が林立するようになり、
北京や上海だけでなく、地方都市を久しぶりに訪ねると、
「なるほどこれが大陸の香港化か」と頷かせるような
高層都市に生まれ変わっています。

「はたしてこれがいつまで続くのか」、
とバブルの崩壊を経験した日本人は
自分たちの二の舞を先ず頭に浮べてしまいますが、
いつかはそういう日もあるでしょうが、
そこに至るまでにはまだまだ経済成長の余地が残っています。
従って不動産が今後も順調に値上がりするかどうかは
その時々の経済環境に左右されるでしょうが、
建設ブームが今後も当分、続くことは間違いないし、
従って「不動産という工業製品づくり」のビジネスは
成長性の高い業種の一つであり続けることは
誰も否定できないでしょう。

同じ値嵩商品でも、自動車は値上がりする財産でありませんが、
不動産は値上がりします。
それを生産する不動産業者は、自動車メーカーと違って、
売り損っても値下がりするどころか、
次のブームでもっと値上がりする在庫を抱える立場にあります。
しかし、その半面、景気対策を間違えると、
高度成長のプロセスで
倒産が最も激しいのもまた不動産業者ですから、
投資の対象としてどの企業を選ぶかが
何よりも大切なことになります。

いま不動産株は政府の規制を怖れて買い控えられていますが、
こういう時こそ研究に値いするのではないでしょうか。
一口に不動産株といっても、ピンからキリまであるし、
経営者が自分たちに有利なことばかり考えている企業もあれば、
経営能力の見劣りするバカな経営者にも事欠きません。
私がいちいち細部にわたって指摘する立場にありませんが、
不動産株に関心をお持ちの方にとっては
そろそろ機が熟してきたと見ています。
どうせ選ぶなら、長期にわたって株主を勤めることのできる
優良銘柄を選んで下さい。


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2010年1月21日(木)

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