中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3606回
これが日本人のデフレ対策です

不景気になると物が売れなくなります。
物が売れなくなると、
どこの店でも真っ青になって
どうやったら物が売れるか知恵を搾ります。
安売りをすれば、
とりあえずはお客が集まりますから、
デパートやスーパーだけでなく、
商店街は軒並みバーゲンセールの繰り返しが続いています。

しかし、バーゲンセールが終われば途端に物が売れなくなるし、
同業者がもっと値引きをすれば、
お客をとられてしまいますから、
自分たちだけ値引きをやめてしまうわけには行きません。
しまいには町全体が
アウトレットになってしまったようなことが起りますから、
景気が快復するどころか、
デフレが定着してしまうのではないでしょうか。

すると安売りが更に安売りを呼ぶようになり、
景気が快復するどころか、景気が後退したまま
産業界が低迷することが起り得ます。
終戦からこの方、かつて起ったことのないような
不況の長期化がもしかしたら始まるのではないか
という気配さえ見える今日この頃です。

物が売れないと店は赤字になりますから
店じまいをしたり、
経費を節約するために人減らしをします。
物づくりをしているメーカーは操短したり、生産を停止し、
賃金のカットをします。
すると消費にまわるお金は更に減りますから、
景気は更に一段と悪化します。
それがいまの日本がおかれている経済環境だ
というのが私の認識です。

しかし、海を渡って向うに行くと、
物はよく売れているし、
レストランは人だかりがしています。
自動車は1年に1000万台も売れているし、
マンションは値上がりを続けています。
両方見比べて、
日本人はどうすればいいのでしょうか。
物の売れない日本でユニクロの真似をすればいいのでしょうか。
それとも海の向うに出稼ぎに行ったらいいのでしょうか。
新聞の調査によると、
失業しないように今の仕事に
しっかりしがみついた方がいいと答えた日本人の若者の方が
ずっと多いと報道されていますが・・・。


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2010年1月23日(土)

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