中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3607回
国民にお金を使わせる創意工夫が必要

いまの日本は物が売れる環境づくりに全力をあげる必要があります。
人口が減る方向にあるから人づくりの奨励をするのでは
あまりに迂遠すぎて急場の用に間に合いません。
お金をあげるから子供を生みなさいと言われて
子供を生む女の人なんて滅多にいません。
女の人が子供を生みたがるかどうかはその時代時代の反映であって、
栄枯盛衰は世の倣いですから、
自分たちの国だけ永遠に栄えるように願うのは
身勝手すぎだと言ってよいのではないでしょうか。

ですから子育ての好きな人は
お金なんかもらわなくても子供をつくるし、
そういう立場の人にお金をあげても
大半のお金は子供の将来のために貯蓄にまわしてしまいます。
人にお金を使わせるためには、
自分のお金でないお金を使わせてあげますよとか、
お金を使ったら、
その分、税金を負けてあげますよとか、
要するに自分のお金でないお金が
使えるように仕向けるのでなければ、
お金を気前よく使ってくれるわけがありません。
たとえば会社の交際費は
税務署によってきびしく監督されているので
思うように使えないし、
個人の所得でも
もし交際費として経費控除ができたら、
もっと気前良く使う人はいくらでもいる筈です。

また家を新築したらその分、
経費控除を認めるというなら、
新築にお金を使う人はいくらでもふえるでしょう。
たとえ飲み食いや個人消費であってもそれによって
国全体の消費に功献できたら、
それは停滞する経済を刺激することになるし、
デフレから日本の国を呼びさますきっかけにもなるのです。

また1円でも円安にすれば、
その分だけ日本の輸出をふやすことになりますので、
日本経済を活性化する呼び水になります。
そういうことに一切無知無能で、
逆に企業を赤字におとし入れていたのでは
産業界に活気が戻ってくるわけがありません。
そういった意味では政界ももう一度、
大掃除が必要なのかも知れませんね。


←前回記事へ

2010年1月24日(日)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ