中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3615回
観光ブームにうまく乗りましょう

観光産業は本格的な経済成長期に入る中国の新興産業の一つです。
古くからある観光地には
今まで来たことのない新しい観光客がドッと押しかけるし、
新しい観光地はその土地のお役所が先頭に立って
新しい飛行場をつくったり、高速道路の整備をしたり、
客寄せに必死になっています。

たとえば雲南省の昆明市の郊外に
石林という世にも珍しい石でできた観光名所があります。
地球の軌道に大異変が起った時に自然にできたものでしょうが、
これに似た絶景の一つはトルコのカッパドキアだし、
もう一つ南アフリカで自然動物園に出かけた時に
どこかで見たことがあります。
自然がつくったものですから、
一度は見るに値いするだけのものはありますが、
それだけで土地の人が食べて行けるわけではありません。

石林も年間に3百万人ほどの観光客があるそうですが、
奇石の中を歩いてまわるだけで
食べてなるほどと頷ける物があるわけでもなければ、
少数民族の刺繍とか
人が喜んでお金を払いたくなる物が
売られている店があるわけでもありません。
どこの観光地にもズラリとハンコ屋さんが並んでいますが、
観光地でハンコを注文している人を見たことは
1回もありません。

中国人は商売上手だと言われていますが、
中国の観光地のお土産物屋さんを見る限り、
中国人はお土産物を買ってもらうために、
智恵をしぼらない人たちばかりだということになります。
1杯が5元で、その土地に来た人が喜んで口にする
飲物や食べ物であってもいいのです。
そういう土地のお土産物を考え出すだけでいいのです。
その土地の人が考え出す物でなくても、
その土地に観光に来た人が
喜んで5元か、10元を払ってくれる食べ物か、
土産物を考え出すだけでいいのです。
誰かそれをやれる人いないでしょうか。
何億元もかかる立派なホテルなんか建ててくれなくとも、
通りすがりの観光客にとても喜ばれるのではないでしょうか。


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2010年2月1日(月)

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