中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3620回
日中合作は次のステップに入ります

多くの人が中国経済はバブルの時期に突入するのではないかと
へっぴり腰になっています。
私は高度成長がはじまる前からずっと見ていますので、
先進国のコピーをする時期が終って
いよいよこれからオリジナルの発展期に入るんだなと
納得しています。

どこの国だって、いや、
学校の勉強だって最初は先生や先輩の真似からはじまります。
学ぶとは、マネブの転語であり、
先覚者の真似をすることからスタートするのです。
日本人は成長期に国内市場が先進国の資本に壟断されることを怖れて
外国資本の進出をきびしく制限して猿真似に徹しましたが、
中国は外国資本を積極的に導入したので、
「世界の工場」になるのにさして時間がかかりませんでした。
私の打算では、
20年でほぼ第一期を終えたことになります。

どこを見たらわかるかと言うと、
世界のブランド商品のコピーのやり方と
スピードを見たらわかります。
エルメスでもダンヒルでも
本物を一回見せたら寸分違いないものがすぐにもできてきます。
値段も本物の10分の1くらいでどこにでも売っています。

でも、もうそれではお客が集らなくなってしまいました。
満州に行くとすぐにもわかりますが、
実際に世界の一流ブランドの下請けをやっているので、
その技術を見につけることができました。
ちょうど日本がアメリカの自動車生産のコピーをしたら、
GMやクライスラーやフォードを向うにまわして
競争ができるようになったように、
中国も「世界の工場」から
オリジナルの生産レベルを開拓しなければ
次の展開ができないところまで到達してしまったのです。

逆の言い方をすれば、
日本の企業は中国に進出して、
双方の長所を1つにしたような技術革新に
積極的に力を入れなければ、
次のグローバル化の時代に
生き残れないところまで来てしまったのです。
普洱茶の改良に日本のメーカーが乗り出すのも
そうした次のステップにすぎないのです。
この手の仕事がいくらでもあると思いませんか。


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2010年2月6日(土)

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