中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3650回
ブラジルの資源を中国が支配する場面も

ブラジルは資源大国です。
ですから世界中から資源を狙って多くの資本が集まってきます。
最近、一番目立っているのは中国からの進出です。
何しろ中国は大へんな勢いで経済成長が進んでいますし、
その分、資源の不足に悩んでいます。
しかも中国は2兆ドルを超える外貨を抱えているのです。

日本も中国に次ぐ外貨保有大国ですが、
日本政府はありあまる外貨でアメリカの国債を買っているだけで、
資源の確保にそれほど熱心ではありません。
多分、日本人は自分たちで資源の開発をしなくとも、
お金さえ出せば資源はいくらでも手に入ることを
過去の経験で知っているからでしょう。

第一次石油ショックで石油の値段が一挙に6倍に暴騰した時、
日本の新聞はあと1年で日本の外貨は枯渇し、
日本中が寒空の下で凍え死するだろうと書きましたが、
私は日本は石油を輸入しても、
それで石油加工品をつくって
何倍もの値段で産油国に売る仕事をやっているのだから
原料が高くなれば製品をそれよりもっと高くして売るだけだから、
困るわけがない。
産油国は日本という壁に向って
テニスの練習をしているようなもので、
強く打てば強くかえると論陣を張ったことがありました。

結果はごらんの通りですが、
日本の工業技術は一段と高度化し、
省エネ製品の開発によって
アメリカの自動車業界さえ席捲するようになりました。
ですから、中国式対応が唯一の資源確得方式ではありませんが、
更に一段の省エネ技術が至難となれば、
日本が工業生産の国際競争から落伍することもないとは言えません。

現に中国では国営の大企業が積み上がった外貨準備を使って
自国周辺の国々のみならず、
アフリカでもブラジルでも懸命に資源の確得に血眼になっています。
気がついて見たら、
中国がブラジルの資源のかなりの部分を支配しているということも
あり得るのではないでしょうか。


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2010年3月8日(月)

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