中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3652回
次は中国とアメリカのトップ争いです

ブラジルが一番最後になってしまいましたが、
とうとうBRICsの4つの国を一通り廻わり終わりました。
とりわけブラジルに行くのは20何年ぶりだったので、
どの程度変わったのか、とても興味を持っていましたが、
ほとんど何の変わりもないのにがっかりするよりは
びっくりしてしまいました。
ブラジルは日本人の移民の最も多かった国ですが、
日本人も変化のない国に移民すると、
その国の環境に馴染んでしまうのでしょうかね。

前回、行った時は戦前風の古い鳥居があって
その近くの時計店で日本人の職人が
戦前のぜんまい仕掛けの置時計の修理をしていましたが、
今回は2年前に建て直した同じ形の鳥居がありましたが、
さすがに時計屋は見当たりませんでした。
でもその跡に新しくできた安っぽい喫茶店は
どう見ても日本人の店ではなさそうなので、
近所の人にきいたら、町の半分くらいが既に
中国人の経営する店に入れ替わっているそうです。

BRICsの名付親はアメリカの金融界の人ですが、
それぞれの国の経済成長の数字だけを根拠にして
予想したこれらの成長国は私に言わせると、
それぞれ全く体質の違う動きをする筈です。
如何にも大雑把すぎると言ってよいのではないでしょうか。
現に南米中が小型車だらけで、
米車がほとんど見当らないのを見てもわかるように、
アメリカの産業界は自分たちのすぐお隣りの南米の研究さえ
おざなりになっているのです。

ですから次にアメリカと入れ替わるのは中国であって、
他の3国もあわせた4国のレースではありません。
アメリカの時代は第一次世界大戦をきっかけにはじまって
約100年続きましたが、
アメリカがイギリスに代わって世界をリードしたように、
これから中国にどうやって入れ替わられるかという時代が
はじまったと見るのが正しいのではないでしょうか。
当然のことながら、
そう簡単にチャンピオンの交替が起るわけではありません。
文明の衝突はキリスト教と回教の間に起っているかに見えますが、
本当はアメリカと中国、もしくは西洋文明と東洋文明の間で
次第に熱が上がるぞと私は見ています。


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2010年3月10日(水)

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