中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3656回
短期勝負に儲かった人見たことありません

株をやる大半の人は
株を買う前からもう売る時のことを考えています。
鞘を抜くようなやり方で
利益を上げることができると思っているのです。
現に1日のうちに5ドルや10ドル動くことは珍しくないのですから、
売買手数料をさしひいてもいくらかの利益があれば、
その日のうちにお金の儲かる可能性があります。

そういうのを日本では芝刈りと言って、
証券会社の人が丹念にやっていました。
でも今もそういうやり方をしている人を見ないところを見ると、
私たちより安い手数料ですむ証券会社でさえも
やっぱり思うように成果があがらないからです。

昔々、と言っても30年ほど前に、
私は台湾に証券会社を持っていたことがあります。
ヒマすぎて困った場立ちの連中が
必らず成績をあげて見せますから、
私たちに100万元の範囲で売買させてくれませんか、
必らず立派な成績をあげて見せますから、
とせがまれました。
そんなことできるわけないと私は思っていましたが、
実際にやらせてみないとわかってもらえないので、
じゃやってごらんと許可しました。
すると、たちまちストップをして
とうとう音を上げてしまいました。
この株と思った株を買って、
2回か3回、カスリを稼ぐくらいのことはできますが、
すぐに買値を割ってしまうのです。
途端に売買がとまってしまって動きがとれなくなります。

やむを得ず損切りをして、また次の値上がりを狙いますが、
何日もしないうちにまた同じことのくりかえしになります。
たちまちのうちにストップの連続になり、
プロを自称する連中でも
断念するよりほかなくなってしまったのです。
プロでさえそういう目にあわされるのですから、
上がったら売って、
また上がりそうな株に乗りかえようと身構えているシロウトは
必らず同じことのくりかえしになります。
そういう態度で私が紹介した成長株を買っても
必らず同じ結果になってしまうのです。
短期勝負で常勝将軍になった人を私はまだ見たことがありません。


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2010年3月14日(日)

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