中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3676回
高くても人の欲しがる商品を売れ

安売りとそれを追いかけるように更に起るデフレは
更に百貨店やスーパーやコンビニをピンチに追い込みます。
あんな大企業がと思う歴史のある会社が倒産したり、
他社に合併されることが次々と起ります。

時代が変わると、
その時代に合った商売のやり口を工夫するよりほかありません。
かつて百貨店が新興スーパーのあこがれの的だったことがあります。
安売りをしなくとも、ちゃんとお客が来てくれて、
高価な商品を気前よく買ってくれるなら、
こんな頼もしいことはありません。
安売りをしてお金を儲けたスーパーが
創意工夫を怠けて左前になった百貨店を買って、
悦に入ったのも無理からぬことです。

ところが、世界的な不況がはじまると、
百貨店だけでなく、スーパーの安売り衣料品でさえ
振り向く人がいなくなったのです。
スーパーの従業員だって
自分たちの勤めるスーパーでジーパンを買わないで、
デパートのバーゲンの時にデパートに買いに行くのです。
ならばデパートの商品ならお客を呼ぶかと言うと、
出店しているメーカー任せですから、
何が売れ口商品かは売上げを見ないと
デパートの人にもわからないのです。

今まではそれでもよかったのですが、
出店している業者も何を売っていいのかわからなくなると、
デパートだって気が転倒してしまいます。
そこへユニクロのような低価格大量販売の業者が
次々と店を出してお客を奪うとなると、
「高くてもお客が喜んで買ってくれる商品を開発すればよい」
と口で言うのは簡単ですが、
それができる既存の業者はそんなにたくさんはいませんから、
業者が商品の切り替えをするよりも
業者が入れ替わる方が現実に起るのではないでしょうか。

辛じて倒産を免れた業者でも、
たとえばデパートの中の商品構成を
高度成長時代の続きのままでは成り立たないのではないでしょうか。
私はデパートの1階も2階も売る商品を
全面的に変える時期に来ているのではないかと見ています。


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2010年4月3日(土)

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