中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3770回
テレビ・コマーシャルの作者は皆、神経衰弱?

テレビを見ていて、もう一つ心配になることがあります。
それはコマーシャルのことです。
番組が肝心なところに来ると、
途端にコマーシャルに邪魔されることは
誰でも知っていることですが、
コマーシャルの製作をしている人は
1人残らず神経がおかしくなっているのではないでしょうか。

先ずコマーシャルになっても何の広告をしているのか
よくわからないうちに画面が変ってしまいます。
また視聴者が目をそらすのをおそれて、
画面の方がすぐ変わるだけでなく、
広告していることと何の関係もない人をいらいらさせる画面が
いやというほど次から次へと出てきます。
ビールの広告かと思ったらあッという間に家具の広告に変わり、
家具の広告かと思ったら、
早くも食べ物の広告に変わってしまっています。

なかでも一番しつっこくて、
逆効果じゃないかという広告もあります。
一番嫌なのは保険会社のこれでもかこれでもかという広告です。
保険はお金のたくさんある人には必要のないものです。
莫大な広告料を払って、貧乏人からお金をまき上げようとする
保険会社の魂胆がすぐ頭に浮んできます。
また発毛剤の広告は、経営者の顔まで載せると
見ている方がげんなりします。
イケメンならまた別でしょうが、
欲の皮の張った経営者の顔まで写し出す放送局は
どんな量見なんでしょうね。

老齢化社会とは言いながら、足腰の立たなくなった爺さん婆さんに
これでもかこれでもかと高い広告料を払って
とびっきり高い薬を売りつけるのもどうかと思います。
私には高い広告料払って、
恐らく割引した値段のそのまた10分の1でつくった薬を
売りつけているように見えますが、
テレビを見ているのはやはり大衆でなくて、
ヒマで小金を持った愚衆だけなのでしょうか。

テレビのコマーシャルだけは抜かして
番組だけが見られるシステムも既にできているそうですが、
そうなったらテレビ産業もいよいよ成り立たなくなる日が来ます。
でもそんな文句を言うより
テレビのスイッチを入れなければいいんじゃないですか。


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2010年7月6日(火)

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