中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3802回
ビジネスやるなら人民元の発想で

ドルの時代から人民元の時代に移りつつあることは
誰もが感じていることです。
でもそれは明日にも起ることではないし、
そうなるまでに紆余曲折があることは誰でも知っています。
実際にそうなるまでに一つ間違えると
財産を失うような目にあわされることもあり得るし、
いままでやってきたビジネスを店じまいしなければならないことも
あり得ないことはありません。

そうした変化に対して頑なに抵抗する人が
世の中には結構たくさんいます。
そういう人がいるおかげで
「ローマは一日にしてならず」ということになりますが、
世の中が少しずつ移り変わると共に世代も交替するので、
一代か二代経つと、即ち30年を2回くらいくりかえすと、
世相が一変するのです。

アメリカがイギリスに替わるのにも
そのくらいの時間がかかりましたし、
この次、中国がアメリカにとって替わるのにも
恐らくそのくらいの時間はかかるのではないでしょうか。

しかし、中国がアメリカに変わったなあと思った途端に、
次に中国にとって変わる新しい現象が起ることも
また起り得ると考えなければなりません。
これから豊かになる中国の社会で一人っ子として育った次の世代が
全世界に睨みがきかせるだけの能力を持ち合わせているかというと、
よけいなお世話だけれど、
否定的な解答しかできない人が多いのではないでしょうか。

でも私たちはそんな先の先まで心配する立場にはいないのです。
二世代分生きていたのが三世代分生きるとしても、
人は自分の生きている間のことだけ考えて生きればいいのです。
私の場合はもうあとそんなにたくさんの時間は残っていませんが、
明日をどう生きるかということになると、
人民元とうまくつきあって行く必要があると考えます。
ところが、それさえできない人が世の中にはたくさんいます。
実はそうした人たちがいるおかげで、
次の時代をうまく生きる道を選んだ人たちが
次の時代のトップを切ることができるのです。
中国人に向って言っているのではありません。
次の時代を生きる日本人にもあてはまることなんです。


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2010年8月7日(土)

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