中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3803回
日本製品はとても人気があります

中国人の観光ビザに対する条件が大幅に緩和されたので、
7月以降、中国人の観光客がドッと日本に押しかけています。
その人たちの無作法ぶりも報道されていますが、
不景気で物が売れず、ホテルも温泉宿も空室続きだったところへ
大黒さまがゑびすさまを連れて来たようなものですから、
日本国中が湧きに湧きはじめたところです。

デパートも100円ショップも思わぬ珍客で賑わっていますが、
中国人に一番人気があるのは秋葉原ですから、
秋葉原にはドッと団体客が押し寄せています。
たまたま経営不振におちいった上場会社の1社を
中国の同業者が買収して、
私の知っている人が社長になったので、
どんな情況か後学のために訪ねたところ、
まだお昼にもなっていないのに、
団体客を載せたバスが既に15台も乗りつけていて、
そのうち14台が中国人の買物客ですと説明を受けました。

中国も「カカア天下」から既に「家電化」の時代に入っていますが、
家電製品は何と言っても日本が大先輩であることは
あまねく知れ渡っています。
上海や北京はどこも家電の店が軒を連ねていますが、
欲しいけれど高級品で手を出せないのは日本製と決まっています。
なかでもご飯を焚く電気釜は人気商品で、
観光のついでに1人で10個も買って帰る人も珍しくないそうです。

日本製に人気が集まることはとても嬉しいことですが、
私が一番ホッとしていることは
新しく買物をする世代の人たちに
日本製品に対する偏見がないことです。
戦争の傷跡がまだ残っている年寄りの中には
戦争の古傷を口にする人もたまにはありますが、
もう世代が変わってしまいました。
何と言っても西洋文明の洗礼を受けた豊かな生活の先輩格は
一足先に工業化のすすんだ日本です。
その日本でつくられた食品から日用品、生活用品に至るまで
メイド・イン・ジャパンは
若い人たちの間で絶大な人気の対象になっています。
日本人にとってとても明るい話題であると思いませんか。


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2010年8月8日(日)

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