中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3815回
買った人に私の色紙を1枚贈呈します

藤城清治挿絵入りの「邱永漢・西遊記」全8巻は
全巻揃えるだけでも大へんですが、
あっても「洛陽の紙価を高める」ような高値を呼んでいます。
そこで別の出版社が村上豊さんに絵を画いてもらって、
装を新たにして全8巻を出版しました。

その出版屋さんが在庫の整理をして、
50セットばかり私の所へ持ち込んで来ましたので、
私の本の愛読者で、私の「西遊記」を読みたい人に
買っていただきたいと思って、この一文を書いています。
全8巻で税込み15,120円ですが、
お買いいただく人のために私が色紙1枚書いてさしあげます。
ご承知の方もあると思いますが、私は頼まれても、
本にサインをする以外に色紙を書くことはほとんどありません。
私の古本でもあんなに高値を呼んでいるのですから、
私の色紙は私の死んだ後、
もしかしたら皆さんの宝物の1つになるかも知れません。

まあ、それは冗談として、
50枚くらいなら、何とか書けるのではないか。
私の好きな言葉を私の思いついたままに書くので、
どんな文句が皆さんのお手元に届くか、わかりませんが、
それも楽しみの1つとして、
交流センターにご注文になって下さい。

呉承恩の原作は儒教の勧善懲悪をベースにしているので、
現代人を納得させることができませんが、
私はサラリーマン社会をベースにして筆をすすめていますので、
孫悟空も猪八戒も沙悟浄も3人集まると、
親分の三蔵法師の棚おろしばかりしています。
だって海千山千こえてきた化け物が
世間知らずの三蔵法師の言うことをハイハイと
おとなしくきいているわけがないでしょう――
というのが私の舞台装置だからである。

そこが私と原作者の生まれた時代の相違ですが、
全8巻が完成した時、新聞の書評で
「もう少し原作に近い書き方をしたら」と書かれていました。
書評者が原作を読んだことのない人だという何よりの証拠ですね。
まだ読んでいない人は是非「邱永漢・西遊記」のご一読を。


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2010年8月20日(金)

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