中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3814回
「邱永漢・西遊記、村上豊画」のPRです

「邱永漢・西遊記」全8巻は今から半世紀ほど前に、
中央公論の本誌に5年4ヶ月かけて連載したものですが、
ちょうどスプートニックが打ち上げられて、
宇宙時代がはじまった頃のことです。

子供でも知っている孫悟空は
一とび10万8千里で天界をかけまわっていますが、
空想の世界では500年前に書かれた呉承恩の「西遊記」の方が
スプートニックの大先輩ですから、
時の「中央公論」の竹森編集長から
「西遊記の現代版を書いてくれませんか」と
私のところへ白羽の矢が立ちました。
中国の四大奇書の1つである「西遊記」は
私も原本をちらちらとめくったことがありますが、
日本で子供たちに面白がられている
孫悟空や猪八戒のストーリーとはかなり違ったものです。

でももしかしたら「邱永漢・西遊記」が書けるんじゃないかと
生意気なことを考えて承知しました。
編集長は日本画の大家
前田青邨さんに挿絵を頼みましょうかと言ってきてくれましたが、
駆け出しの作家には不釣合いだから、
その頃、まだあまり世間に知られていなかった
影絵の「藤城清治がいいんじゃないか」と提案しました。
64回も続いたので、初期の藤城さんの作品は
ほとんどが孫悟空の挿絵でしたが、
それが契機になってどなたもご存知の影絵の大家が誕生したのです。

「中央公論」での連載がはじまった頃、
編集長が吉川英治先生や一橋大学の中山伊知郎先生を訪ねたら、
「ボクは中公が来たらどこから読みはじめるか知っている?」
と逆にきかれて意外にも
「邱永漢さんの西遊記だよ、あれ痛快だね」と言われたそうで、
全8巻が中央公論社から出版される時、
1巻目に吉川英治先生が、
2巻目に中山伊知郎先生が推薦者になっていただきました。

その「西遊記」から40何年たって魁星出版から村上豊さんの挿絵で
「邱永漢・西遊記」全8巻が装を新たにして出版されました。
そのPRを兼ねていまこの一文を書いています。
続きは明日ごらんになって下さい。


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2010年8月19日(木)

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