中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3817回
傾いた夕陽は落ちるだけでしょうね

「千里を走る駿馬も年老いたら駑馬になる」し、
どんなすぐれた制度でも時代が変われば、
時代遅れの制度になってしまいます。
アメリカに教えてもらった戦後の両院制度だって、
それをうまく利用して
意のままに動かそうと考える人の手にかかると、
理想的な機能をしなくなります。

まして実権を握った人たちが
選挙資金まで国のお金を使って捻出するようになると、
役人だけでなく、
政治家の方がお金に動かされるようになりますから、
「自ら助ける者は政治家」ということになってしまいます。
ですからいっそ政治は社会的に成功して、
もはや自分の収入や地位のために働く必要のなくなった人に
任せることにしたらどうでしょうか。

そういう人がどこにいるのか、
そういう人がはたして無報酬で社会や政治のために
働いてくれるものか、
また年をとった人に若い人たちの気持がわかるのか、
時代の変化に遅れない対策がとれるのか、
心配になってしまいますが、
ではいまの2代目や3代目やチルドレンたちに
それができるのかと方向を変えて質問してみると、
反問もできなくなってしまうのではないでしょうか。

とにかく議員さんの報酬をゼロにして、
秘書の手当もご自分で出すように改めれば、
それだけで報酬目当ての人はいなくなってしまうし、
テレビタレントや芸人がちょっかいを出すことは
先ずなくなるでしょう。
無報酬でもやれる立場の人がやれば、
無駄なお金を使うこともなくなるし、
貧しい人や働けなくなった人をどう扱ったらいいかも、
少くともいまよりはずっとましになるのではないでしょうか。

いまの政治家たちは役人を目の敵にしていますが、
それぞれの分野に専門の人がいないと政治家だって
何1つできないのですから、
役人の再教育をする必要があります。
そこに至るまでにかなりの歳月と努力が必要ですが、
今のままだと夕陽はもっと傾くだけでしょうね。
いやいやそんなことよりも
私の意見に賛成する政治家は先ず1人もいないでしょうね。


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2010年8月22日(日)

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